ワインの種類とワイン法
まず初めに酒の中のワインの位置づけです。
日本の酒税法の定義
「酒類とはアルコール分が1度以上のもの」
(薄めてアルコール分1度以上の飲料にできるもの)
(溶解してアルコール1度以上の飲料にできる粉末のもの)
日本の酒税法における分類
●発泡性酒類・・・ビール、発泡酒など
●醸造酒・・・果実原料→果実酒(ワイン、シードル)
穀物原料→清酒
●蒸留酒・・・果実原料→ブランデー
果実以外→ウィスキー、スピリッツ、焼酎など
●混成酒・・・合成清酒、みりん、甘味果実酒(ポート、シェリー、マデイラ、ヴェルモット)
リキュール、粉末酒
ワインの特性
ワインとは?
ブドウ果汁を原料として醸造した酒類
ブドウは比較的高い糖分と豊富な有機酸を持つことにより、
PHが低く雑菌が生えにくい
【化学式】ブドウ糖・果糖+酵母→エチルアルコール+二酸化炭素
※化学式を解明した人物
joseph Louis Gay Lussac ジョゼフ・ルイ・ゲイリュサック
※酵母による発酵のメカニズムを解明した人
Louis Pasteur ルイ・パストゥール
細菌学の父と呼ばれ、アルコール発酵の解明、低温殺菌法など
後に大きな足跡を残したブドウ畑「クロ デ ロジエール」も保存されている。
ワイン中の主な有機酸
●ブドウに由来する酸
・酒石酸 (一番多い)
・リンゴ酸
・クエン酸
●発酵によって生成する酸
・コハク酸
・乳酸
・酢酸 ゴロ覚えはこちら
●貴腐ワインに含まれる酸
・ガラクチュロン酸→ブドウのペクチン質が分解することでできる成分
熟成中に酸化されて粘液酸になり、さらにカルシウム塩になり
白色の粘液酸カルシウムとして析出される
・グルコン酸→ブドウにボトリティス・シネレア菌がついて貴腐化することで
濃度が上がる有機酸
※ワイン中には酒石酸とカリウムやカルシウムなどが
結合した酒石が析出されることがある。
ワインの香りと効果
第1アロマ→原料ブドウ由来の品種特性香
第2アロマ→発酵工程で酵母や乳酸菌が生成する香り
第3アロマ→発酵終了後、タンクや樽で貯蔵中に生成する熟成香
さらに瓶詰め後に生成する熟成香(ブーケとも呼ばれる)
ワインのpH 2.9~3.8pH 覚え方:肉サバ
赤ワイン
・ポリフェノール(果皮と種子に多く含む)、フラボノイドが過剰な活性酸素を消去する
・リスベラトロール(ポリフェノールの一種)が抗がん作用、アルツハイマー予防
多い品種・・・カベルネソーヴィニヨンやネッビオーロ
少ない品種・・・ガメイ
白ワイン
・利尿作用、整腸作用、食欲増進効果、抗菌作用
アルコール代謝→肝臓でアルコール脱水素酵素により酸化され、
アセトアルデヒドに変換される。
ワインの分類
スティルワイン
非発砲性のワイン(赤、白、ロゼ)
アルコール度数は9から15%程度
スパークリングワイン
発泡性ワイン→3気圧以上のガス圧のもの
弱発砲性ワイン→3気圧以下のガス圧のワイン
・Frizzanteフリザンテ(イタリア)
・Petillantペティヤン(フランス)
・Perlweinパールヴァイン(ドイツ) 覚え方:フリーペーパー
フォーティファイドワイン
醸造中にブランデーやアルコールを添加して、
ワイン全体のアルコール度数を15~22%程度に高め
味にコクを持たせワイン自体の保温性を高めたもの
酒精強化ワインと呼ばれる
フォーティファイドワイン一覧
・シェリー(Sherry)スペイン
・ポートワイン(PortWine)ポルトガル
・マデイラ(Madeira)ポルトガル
・マルサラ(Marsala)
・ヴァン・ドゥ・ナチュレ(VDN)フランス
・ヴァン・ドゥ・リキュール(VDL)フランス
フレーヴァードワイン
ワインに薬草、果実、甘味料を加えて独特な風味をつけたもの
フレーヴァードワイン一覧
・ヴェルモット(Vermouth)イタリア・・・ワインにニガヨモギなどの薬草を浸漬
・レッチーナ(Retsina)ギリシャ・・・白ワインに松脂を加えたもの
・サングリア(Sangria)スペイン・・・ワインにオレンジやレモン果汁を加えたもの
・リレ(Lillet)フランス
ワインに関するEUの法
新ワイン法の発効
2009年ビンテージから適用
旧ワイン法で使用されていた伝統表記→個別に認められている
品質分類
旧ワイン法
・AOC→Appellation d’Origine Controlee
アペラシオン・オリジン・コントローレ
最上級ランク:原産地統制呼称
・AOVDQS→Appellation d’Origine Vin Delimite de Qualite Superieure
アペラシオン・ドリジン・ヴァン・デミリテ・ド・カリテ・スペリュール
原産地名称上質指定ワイン
・V.D.P→Vins de Pays
ヴァン・ド・ペイ
地酒
・Vins de Table→V.D.T
ヴァン・ド・ターブル
日常用テーブルワイン
※A.O.Cは新ワイン法ではA.O.Pになった。
※V.D.PとV.D.Tは新ワイン法ではI.G.Pになった。
新ワイン法
・A.O.P→Appellation d’Origine Protegee
原産地呼称保護
・I.G.P→Indication Geographique Protegee
地理的表示保護
■A.O.P(フランス語)の各国での呼び方
イタリア語→D.O.P
英語→P.D.O
ドイツ語→g.U
■I.G.P(フランス語)の各国の呼び方
イタリア語→I.G.P
英語→P.G.I
ドイツ語→g.g.A
AOPの基準
特殊な地理的環境で作られ、指定地域内で生産されたブドウ品種は100%。
原料ブドウはヴィティスヴィニフェラ種のみ。
IGPの基準
指定された地域で醸造され、原料ブドウはヴィティスヴィニフェラおよび交配。
指定地域内生産されたブドウ品種は85%以上。