英国
英国はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国の集まり。
 「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」が正式名称
英国のプロフィール
北部では気温が低くブドウ栽培が難しいので商業的ワイナリーは少なく、南部には多くの生産者が散在している。
 20世紀後半、ハイブリッド品種やドイツ交配品種の特性を反映したライトでフルーティーなワインが多かった。
 1980年代から地球の温暖化によってブドウの熟度があがり、イングランド南部が注目されるようになった。
 イングランド南部で栽培されたシャルドネ、ピノノワール、ピノムニエでつくるスパークリングワインが高い評価を得るようになった。
スティルワイン:スパークリング=31:69
イングランドのカウンティ(州)別栽培面積は、
 サウスイーストイングランド地方
 (ケント、ウエストサセックス、イーストサセックス、サリー)、
 イーストオブイングランド地方などのイングランド南東部に集中している。
ロンドンを中心とした都市部と観光地の受入と態勢が進み、ワインツーリズムが将来的に広がる事が期待されている。
英国の主要産地
■ケント
 英国の南東の端にありドーヴァー海峡に面している。
「イングランドの庭園」と呼ばれ、シャンパーニュ品種を造るスパークリングワインの品質が高い。
■サセックス
 ハンプシャーと並んで英国で最も日照が豊富で温暖な地区。海に近く、ブドウの産が豊富。
 シャンパーニュ品種も増加しているが、リースリング、ピノグリ、ピノブランなどの白も造られている。
英国の歴史と気候風土
■12世紀 
  ヘンリー2世がフランス西部と英国を支配し、ボルドーからワインが大量に供給される。
■13~17世紀
  小氷河期と呼ばれワイン産業が衰退する。
■1703年
  英国がポルトガルとメシュヘン条約を結び、ワインの輸入関税を下げた。
  このことによりポートワインやマディラの輸入量がふえた。
緯度的には高いところにあるが、メキシコ湾流のおかげで比較的温和な海洋性気候。
 そのなかでも比較的温暖な南部が生産が盛んにおこなわれている。
英国の主要ブドウ品種
白ブドウ
 1位 シャルドネ
 2位 バッカス
 3位 セイヴェルブラン
黒ブドウ
 1位 ピノノワール
 2位 ピノムニエ
 3位 ロンド
ワイン法
原則としてEUワイン法は英国内にも適用される。
 ■2011年
 「イングランド」「ウェールズ」という地域表示を保護するワイン法を導入される。
■2015年
  原産地名称保護に「イングランド」と「ウェールズ」以外で
  初のカテゴリーで単独所有畑ダーニボールが登録された。
品質分類
■イングリッシュワイン
 イングランドで収穫されたブドウを100%使う。
 スティルワイン:最大収量80hl/ha アルコール度数8.5~15%
 スパークリングワイン:最低9か月熟成ガス圧は3.5バール以上
■ウェルシュワイン
 ウェールズで収穫されたブドウを100%使う。
 スティルワイン:最大収量80hl/ha アルコール度数9~15%
 スパークリングワイン:最低9か月熟成ガス圧は3.5バール以上
■サセックスワイン
 サセックス地方で収穫されたブドウのみで作ったスティルワインとトラディショナル方式のスパークリングワインの白とロゼ。
■ダーニボールワイン
 別名:ダーニボール バッカス ワイン
 生産者キャメルヴァレーヴィンヤードが単独所有する面積5haの畑で使用品種はバッカスのみ。

