ルクセンブルグ
フランスとドイツという2大ワイン産地に挟まれていてベルギーとも接している国。
聞き馴染みはないが良質なワインを生産する重要な国。
ルクセンブルグのプロフィール
フランスの質とドイツの量を兼ね備えた美食の国。
隣国のベルギーはビール造りが盛んだがルクセンブルグはワイン主流の食文化を形成している。
一人当たりののGDP(国内総生産)は世界トップ!
生産量の半分は近隣諸国へ輸出され、国内消費にも支えられている。
モーゼル川沿いの白ワインが9割を占める。そのうち3割を占めるのが瓶内二次発酵のスパークリングワイン
付加価値税(VAT:日本の消費税にあたるもの)が周辺国よりも低く設定されているため、国境を越えてワインを買いに来る消費者もいる。
ルクセンブルグの歴史
19世紀
白ブドウ品種が本格化され、一時は栽培面積の9割がエルブリングになった。
1886年
フランスからシャンパーニュ製法が伝えられた
1980年
スパークリングワインとしての新しいカテゴリー「クレマン ド ルクセンブルグ」を確立させた。
近年
ピノノワールやシャルドネの国内栽培が始まり、クレマンの味わいに奥行を持たせている。
ルクセンブルグ産の樽材を使った樽のポテンシャルを探っている生産者も増えつつある。
気候風土
緯度はフランスのシャンパーニュ地方とほぼ同じ。ブドウ栽培の北限とされている。
最大斜度が60度と急斜面が多く、ブドウ栽培は手作業がメインで行われている。
冬の寒さは厳しくなく、夏は極端に気温が高くなることはない。
主なブドウ品種
スティルワインは伝統的に単一品種で造られる。
栽培品種トップ5は以下の通り
1位リヴァネール
2位ピノグリ
3位オーセロワ
4位リースリング
5位ピノブラン
ワイン法と品質分類
1932年~2014年までのワイン法
・政府の監督を受けること
・他国のワインとのブレンドされていないこと
・ルクセンブルグモーゼル地域で生産されたワインであること
・ルクセンブルグワイン法ならびにEU規則の品質基準を満たしていること
グランプルミエクリュ「プルミエクリュ」「ヴァンクラッセ」「アペラシオンコントローレ」の4等級に分類されている
2015年から新AOP法、生産地と収穫高による格付けに移行する。
■リューディット
最上の畑のワイン
■コトードゥ
グレーヴェンマッハ地区の貝殻石灰質か、レーミッヒ地区の粘土質泥灰岩の特徴(コイパー)の特徴が表現された手作業による収穫の優良な畑のワインのこと
■コートドゥ
調和のとれた日常ワイン
1991年
クレマン ド ルクセンブルグが制定された
2016年
ヴィンテージより瓶内熟成24カ月以上のものに「ミレジメ」呼称を使用できる
ワイン産地と特徴
モーゼル川流域の南にあるシェンゲン村からヴァッセルビリグ村まで42kmにわたる地域でワインが造られる。
南部はコイパー土壌という砂や粘土、炭化物、マールなどで構成される泥土岩
北部はムッシェルカルクという貝殻石灰岩土壌