オーストラリア
ニューサウスウェールズ州、ヴィクトリア州、タスマニア州、南オーストラリア州、西オーストラリア州の5州からなる範囲で東西に約3000㎞に渡ってワイン産地が点在している。オーストラリアの代表品種はシラーズでヨーロッパ品種がメインとなる。
オーストラリアのプロフィール
オーストラリアの主なブドウ品種
黒ブドウ
・シラーズ
・カベルネソーヴィニヨン
・メルロー
・ピノノワール
白ブドウ
・シャルドネ
・ソーヴィニヨンブラン
・セミヨン
・リースリング
ワイン法と品質分類
オーストラリアの地理的呼称(ジオグラフィカル・インディケイション)GI制度は1993年に導入され、ラベルの表記規定はヴィンテージ、品種名、産地ともに全て85%以上含まれていれば表示できる。
また食品基準機関(FSANZ)の義務付け、酸化防止剤、保存料の表示番号は以下としている。
1、200⇒ソルビン酸
2、220⇒亜硫酸(二酸化硫黄)
3、300⇒アスコルビン酸(ビタミンC)
オーストラリアの主な州の産地
1位南オーストラリア州
2位ニューサウスウェールズ州
3位ヴィクトリア州
4位西オーストラリア州
5位タスマニア州
オーストラリアの主要なワイン産地と特徴
①スワンディストリクト
②マーガレットリヴァー
③グレートサザン
④クレアヴァレー
⑤バロッサヴァレー
⑥イーデンヴァレー
⑦アデレードヒルズ
⑧マクラーレンヴェイル
⑨ローブ
⑩クナワラ
⑪ジロング
⑫ヤラヴァレー
⑬キングヴァレー
⑭オレンジ
⑮マジー
⑯ハンター
⑰タスマニア
西オーストラリア州
西オーストラリア州のブドウ栽培は1834年に州都のパースの北のスワンヴァレーで始まる。 1970年代には有力なワイン産地のマーガレットリヴァーが誕生する。それ以降冷涼な地域を求めてワイン産地はどんどんと南下していく。
西オーストラリア州の主要産地
■スワンディストリクト
地中海性気候でシュナンブランの産地。
フリーマンドクターと呼ばれる海風によって暑さが和らげられる。
■マーガレットリヴァー
オーストラリア最西端の地域。
ボルドーと気候が似ていてカベルネソーヴィニヨンやシャルドネは秀逸と評される。
■グレートサザン
5つの小地区が存在する。
南オーストラリア州
南オーストラリア州はオーストラリアのワインの総生産量の約半分を生み出す州の中で最大の産地。クナワラやライムストーンコーストでは鉄分を含んだ赤い土壌と白い石灰質土壌のミックス土壌があり、これをテラロッサと呼ぶ、テラロッサはカベルネソーヴィニヨンの好適地とされている。
南オーストラリア州の主要産地
■バロッサヴァレー
シラーズの首都と呼ばれる産地。
2009年には『Barossa Old Vine(古木憲章)』が制定され樹齢ごとに呼び名が変化する。
・樹齢35年以上⇒Barossa Old Vine
・樹齢70年以上⇒Barossa Survivor Vine
・樹齢100年以上⇒Barossa Centennarian Vine
・樹齢125年以上⇒Barossa Ancestor Vine
イーデンヴァレーとの間に谷があり、両者を合わせてバロッサレンジと呼ばれている。
■イーデンヴァレー
シラーズとリースリングの重要産地。
■クレアヴァレー
イーデンヴァレーとともにシラーズとリースリングの重要産地。
■アデレードヒルズ
高級スティルワインや瓶内二次発酵スパークリングなどのファインワインの産地。
■マクラーレンヴェイル
シラーズやカベルネソーヴィニヨン、グルナッシュなどの赤ワインが大半を占める産地。
■ラングホーンクリーク
黒ブドウが8割を占め、品質の高い黒ブドウを比較的手頃な価格で大量に得られるエリア。
■クナワラ
1890年にスコットランド人のジョンリドックが最初のブドウ樹を植え、ペノーラという土地を開拓した。 テラロッサと呼ばれる赤土と石灰岩の土壌のミックス土壌と気候がボルドーと似ていて、最上級のカベルネソーヴィニヨンを生産している。
ヴィクトリア州
ヴィクトリア州は面積は小さい州ですが、メルボルンなどの市街地を除いては州内のほぼ全域でブドウ栽培がおこなわれている盛んな地域。比較的小規模なワイナリーが多いことも特徴の一つ。全体的に冷涼な気候を生かしてシャルドネやピノノワールの生産に成功している。
ヴィクトリア州の主要産地
■ヤラヴァレー
1838年ヴィクトリア州内で最初にワイン用ブドウが植えられた土地。
『ヴァレーフロア』と『アッパーヤラヴァレー』に分けられる。
・ヴァレーフロア
…ボルドー系黒ブドウ品種シラーズ、カベルネソーヴィニヨン、ピノノワールを生産する。 ・アッパーヤラヴァレー
…ヴァレーフロアよりも比較的涼しく、ピノノワール、シャルドネを生産する。
■モーニントンペニンシュラ
ピノノワール(バズビークローンと称されるMV6)の重要な産地。
2017年からオーストラリアの中のピノノワールを対象とする品評会【オーストラリアンピノノワールチャレンジ】を開催している。
■ジロング
1877年にフィロキセラが最初に発見された。ピノノワールとシャルドネの重要な産地。
■ゴールバーンヴァレー
タビルクはシラーズで有名で長い歴史を持つワイナリーの一つ。
■ラザグレン
マスカットとミュスカデルから造られる酒精強化ワインの酸として有名。
■ヘンティ
オーストラリアの中で最も冷涼な産地。羊毛業で有名な農業地。
ニューサウスウェールズ州
イギリス海軍のアーサーフィリップ大佐がニューサウスウェールズ州のシドニーにブドウの樹をもたらしたのが1788年。その後1825年にジェームスバズビーがハンターヴァレーに本格的なブドウ園を造った。
ニューサウスウェールズ州の主要産地
■ハンター
1825年に最初の植樹が行われ、シラーズは60~100年の古木が有名。
ここでつくられるセミヨンはハンターセミヨンと呼ばれる。
■マジー
アボリジニ語で『丘のある巣』という意味の土地。
タスマニア州
島の広範囲を占める土壌はジュラシックドレライトと呼ばれるジュラ紀の玄武岩土壌。 冷涼な気候でピノノワールとシャルドネの重要な生産地。
酒精強化ワイン
バロッサヴァレー(南オーストラリア州)とラザグレン(ヴィクトリア州)が主な産地。
2010年から呼称保護の観点から、オーストラリア国内での名称が変更されました。
●シェリーは国内名称「アペラ」とされた。 ドライ、ミディアムドライ、スイート、クリームの4つのカテゴリーに分けられる。
●ポートは「フォーティーファイド」となり、ヴィンテージとトゥーニーの2つのカテゴリーとなる。 リキュールトカイは「トパーク」に変更。
リキュールのカテゴリーは、ラザグレン、クラシック、グランド、レアの4等級が生産されている。