ブランデー
果実もしくは果実及び水を原料として発酵させたアルコール含有物、
または果実酒を蒸留したもので、アルコール分は95度未満
■フランス語のEau-de-vie(オー・ド・ヴィー)は蒸留酒を指すことが一般的
・オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン(ワインを蒸留)
・オー・ド・ヴィー・ド・マール(果実酒かすを蒸留)
・オー・ド・ヴィー・ド・フリュイ(ブドウ以外のフルーツブランデー)
■ブランデーの作り方(グレープブランデーの場合)
・ウィスキーと違い、糖化工程がない(グレープにもともと水分と糖分を含んでいるため)
・ワインと違い、高い糖分を必要としない。
後に蒸留し、濃縮されるため、酸度の高いものが要求される
主なブランデーの産地
大きく分けてコニャック、アルマニャック、カルヴァドスの3産地に分かれる
コニャックの生産地
■Grande champagne(グランド・シャンパーニュ)
コニャック地方の中でも中央部に位置し、
最高品質のコニャックを生み出す産地。
高級ワインを生み出す土地と同じ石灰岩土壌であるこの地では、
繊細で力強くボリューム感があるポテンシャルの高いコニャックを生み出します。
また、熟成香がすばらしいことでも知られています。
■Petite champagne(プティット・シャンパーニュ)
グランド・シャンパーニュを南西から囲むように広がっている産地。
土壌はグランド・シャンパーニュに似ていますが香りは劣り、
コニャック自体も早熟となります。
■Borderies(ボルドリー)
グランド・シャンパーニュの西北に位置しており、
珪土を含む粘土質土壌の生産地です。
この地でできたブランデーは、製造過程でクパージュ(混合)される際に
使用されることが多く、スミレの風味を持つことも。
■Fins Bois(ファン・ボワ)
グランド・シャンパーニュの北部に位置し、コニャック最大の栽培面積を持ちます。
粘土を含む石灰質の土壌でコニャックは柔らかな風味を持ち、比較的早熟です。
アルマニャックの主な産地
■Bas-Armagnac(バ・ザルマニャック)
バ・ザルマニャック地域は酸性で鉄分を多く含む粘土砂質土壌です。
土に豊富なミネラル分を含み、アルマニャックのなかで最も高級と言われています。
ドライプラムを思わせるアロマが特徴で、フルーティかつ繊細な味わいに仕上がります。
■Armagnac Tenareze(アルマニャック・テナレーズ)
テレナーズ地域は粘土を含む石灰質土壌です。
土壌由来の爽やかな酸味とスミレを思わせるフローラルなアロマが特徴。
ふくよかなボディで特に力強いタイプに仕上がります。
■Haut Armagnac(オー・タルマニャック)
オー・タルマニャック地域は粘土石灰質土壌で、現在ほとんど生産されていない地域。
カルヴァドスの生産地
■カルヴァドス
熟成2年 230種のりんごと121種の梨
■カルヴァドス・デュ・ペイ・ドージュ
熟成2年 103種のりんごと30種の梨
■カルヴァドス・ドンフロンテ
熟成3年 50種のりんごと116種の梨
コニャックとアルマニャックの共通点
ブドウ品種
・ユニブラン(サンテミリオン)
・フォルブランシュ
・コロンバール
蒸留時期
収穫翌年の3月31まで
コニャックとアルマニャックの違い
蒸留方法
コニャック→単式2回 アルマニャック→連続式1回(伝統) 単式2回(近年)
樽の容量
コニャック→350ℓ アルマニャック→400ℓ
熟成表示について
“コント”は収穫翌年の4月1日から起算するものでコント2は2年、コント4は4年
■コニャック
コント2→VS
コント3→Superieure
コント4→VSOP
コント5→Reserve Rare
コント6→Napoleon
コント10→XO、Horsd’age
■アルマニャック
コント1→VS
コント4→VSOP
コント10→XO、Horsd’age
■カルヴァドス
コント2→VS
コント4→VO、VSOP
コント6→Napoleon、XO、Horsd’age
ブドウの搾りかすを原料としたブランデー
①マール(Marc)
ブドウの房や発酵終了後の醪を圧搾した後の果皮、種なだからなり
これらを発酵、蒸留して得たオードヴィー
原則アルコール度数は40%
例外としてマール・ダルザス・ゲヴゥルツトラミネールは45%
②グラッパ
イタリアでブドウの搾りかすからつくられるブランデー。
③その他のフルーツ原料のブランデー
キルシュKirsh→サクランボ
プリュヌPrune→スモモ
ミラベルMirabelle→黄プラム
ケッチェQuetsche→紫プラム
ミルティーユMyrtille→コケモモ
フランボワーズFramboise→木イチゴ
カシスCassis→黒スグリ
アプリコットAbricot→アンズ
ポワール・ウィリアムスPoire Williams→洋梨