レストランやバーなどで、お客様の気分や料理との相性などを考慮しながらご要望や合わせてワインをはじめとした飲料の中から適切なものを正確な知識の基に提案&サービスする専門職であるのがソムリエです。飲食店のサービスプロフェッショナルとしてより専門性を高めたいなら必ず必要な資格でしょう。
ここでは、ソムリエ・ワインエキスパート資格の試験概要と、合格するための勉強法について紹介します。しっかりと目的意識と覚悟を持って臨んでいきましょう。ちなみに私はこの方法でsakediplomaも取得しましたのでJSA主催の試験ではすべて通用すると自信を持っています。
1.ソムリエ試験の概要
ソムリエ資格を取ってみたいと考えている人は、合格するために対策を立てる必要があります。そのため、ソムリエ試験がどのような試験なのかを事前に知っておくことが大切です。ソムリエ試験の概要についてまとめました。
ソムリエ試験とは
レストランやバーなどの飲食店でワインの販売や提供を担当するのがソムリエです。フランスやイタリアなどのヨーロッパではレストランの花形として認知され、日本でも華やかなイメージがありますが、実際にはワインを中心としたアルコール飲料に関する幅広い知識と確かなテイスティング技術が求められます。
そんなソムリエを公式に認定してくれるのが、ソムリエ試験です。
もっとも有名なのは一般社団法人日本ソムリエ協会のソムリエ資格です。ワインをはじめとしたアルコール飲料のプロを育てるために毎年開催されています。ここでは日本ソムリエ協会主催の試験内容、とりわけ一次試験突破の為に必要なことについて触れます。
ソムリエ試験の試験内容
ソムリエ試験は、一次試験から三次試験まであります。(※ワインエキスパートは2次まで)
一次試験は筆記試験で、CBT方式にて行われます。試験時間は70分で、ワインの名前や産地、製造方法などが問われます。
二次試験はテイスティング試験です。ワインと、ウイスキーやブランデーなどワイン以外のアルコール飲料もテイスティングして香りや味に対して評価します。試験時間はテイスティング40分、論述20分(論述は3次試験扱い)の計1時間です。2020年は先に論述試験、その後テイスティング試験の順に変更になりました。
三次試験はサービス実技試験です。ワインの抜栓とデカンタージュ(ワインをボトルからデカンタに移し替える作業)を行います。
ソムリエ資格を認定されるために、三次試験の合格者を対象に書類審査があります。書類審査まで合格してはじめてソムリエの資格が与えられます。
ソムリエ試験の開催日時と場所
ソムリエ試験の開催時期と試験会場は次の通りです。
開催時期 | 試験会場 | |
一次試験 | 毎年7月~8月 | 全国47都道府県内の指定会場 |
二次試験 | 毎年10月 | 全国16ヶ所の指定会場 |
三次試験 | 毎年11月 | 全国16ヶ所の指定会場 |
一次試験の会場は、受験者が事前にWEB予約を行い選ぶことができます。
落ち着いて受験できる場所を選びましょう。
ソムリエ試験の受験資格
ソムリエ試験の受験資格は、一次試験基準日時点で満20歳以上であることが条件です。さらに、ワインおよびワイン以外のアルコール飲料を提供する飲食店において、3年以上のサービス経験があることと、一時試験基準日時点で従事している人が対象です。
日本ソムリエ協会に登録している場合は、会員歴が2年以上、飲食店でのサービス経験が2年以上であることも条件になります。
受験には協会に必ず登録しなくても大丈夫です。
ソムリエ試験の合格率
ソムリエ試験の合格率は、一次試験から三次試験までを総合すると直近3年間で24~30%で推移しています。2016年から難易度が上がり、一次試験から三次試験までストレートで合格する人は以前に比べて減少しています。ストレート合格の為にはしっかりとした試験対策が必要になります。
2.ソムリエ試験勉強法
ソムリエの資格取得には、まず一番の壁は一次試験です。一次試験を突破すれば合格にグンッと近づきます。ここでは私が実際に合格した実績をもとに実践した勉強法を3つ紹介します。
独学で学ぶ
まず第一に独学で合格を目指すことを強く心に決めました。飲食店での営業を行いながらスクールに行くことができず、ワインスクールなどに通学せずに試験に臨むことにしました。
独学のメリットは、自分のペースで勉強を進められることです。仕事の都合で毎日スケジュール通りに勉強を行うのが難しいといった状況でも、自分の予定に合わせたり、すき間時間を使ったりして勉強できます。例えば、朝の通勤中や帰りの電車のなか、営業の休憩中、家に帰ってから寝るまでのちょっとした時間などですね!
また、苦手だと自覚している部分を集中的に勉強するなど勉強内容も自分で決められるので、納得のいく勉強ができると言えます。
ただし、計画的に進めないと挫折しやすく、モチベーションを維持するのは難点です。これが一番難しかったです。
仕事が忙しく、内容が予想以上に難しくてやる気が起きないといった状況に陥りやすいからです。「絶対合格する!」という強い自覚と勉強への意欲を持って臨むことが必要です。
自分を鼓舞するための気持ちとルーティンの確立と勉強の流れを自分で作る事を行わなければいけません。
一応独学以外の勉強方法も以下に述べておきます。
調理関係の専門学校に通学する
ソムリエ試験の合格率を高めたいなら、調理関係の専門学校に通学するという方法があります。調理師を育成するコースに1~2年間通学するパターンが多いですが、ビジネス系専門学校のホテル科などでもソムリエ資格をめざせるようです。時間に余裕がある方などはしっかりと通学することも考えてもいいですね!
専門学校に通学するメリットは、豊富な知識と経験を持った講師から直接抗議を受けられることです。ソムリエ試験の出題傾向や勉強のポイントなどをアドバイスしてもらえるため、より効率的な勉強ができます。先生から最新情報を得られますし、仲間と勉強を進めていくのでモチベーションもキープできそうですね!
ただし、仕事をしながら通学するかたは時間的負担が大きいと感じる可能性はあるでしょう。
ワインスクールに通学する
独学では自信がない、でも・・・専門学校に通う時間がないという場合はワインスクールに通学するという方法もあります。ワインスクールとはワインについて深く勉強できる講義が受けられる場所で、ソムリエ資格取得に特化したカリキュラムになっているコースもあります。
ワインスクールに通学することで、ソムリエ資格を取得するための勉強に集中できることです。ワインスクールなら試験合格への最短距離で勉強ができると言えます。
また、該当コースに通うには通常15~20万円程度の授業料が必要ですが、オンライン講座で学べるスクールも昨今増えてきており、お値段も抑えられているのでよく検討しましょう。
ただし、知識ゼロからストレートでの合格を目指すことを考えるとワインスクールがおすすめです。
3.ソムリエ試験の勉強に必要なもの
よし!勉強を始めるぞ!と決めたらいくつかの準備が必要です。特に独学で合格を目指す方は最低限必要なものとして、以下の2つを準備しておきましょう。
ソムリエ教本
ソムリエ試験の主催者である一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している、ソムリエ試験のテキストです。
ワインの産地や歴史、ブドウの品種や品質分類からテイスティング、管理や販売についてまでもが網羅され、受験者は必携です。ソムリエ試験に申し込みをしたら郵送されてくるもので、自ら本屋さんなどで購入しなくても大丈夫です。
また試験はこの教本から出題されます。逆をいえばこの教本からしか出ません。
例えるならば英語を勉強ときの辞書みたいなものですね!必ず必要なものです。
参考書や対策問題集
ソムリエ試験に関連した参考書や、予想問題集などの対策問題集は数多く市販されています。専門学校に通学するなら専用テキストや定期的なテストなどでフォローしてもらえますが、独学で臨む場合はこれらの書籍を自分で準備しなければいけません。
参考書は教本とは異なり、試験に頻出する項目や傾向などを重点的に教えてくれます。
対策問題集は最近の傾向や、間違えやすい点をまとめてくれています。
ネットで購入するよりも、書店の店頭で実際に手に取って中を確認し、使いやすいと思える書籍を選びましょう。
4.ソムリエ試験の勉強の進め方
独学でも専門学校やワインスクールへの通学でも、ソムリエ試験に合格するためには自らの努力が不可欠です。努力なしにソムリエにはなれません。そんなに甘い世界じゃない。合格率24~30%と言われている試験は誰でも合格するものではないってことですね!
試験本番までの勉強の進め方として、意識しておきたいポイントをまとめました。
勉強のルーティンを作る。
1日の生活の中でどのくらい時間を勉強にさけるのか。
またどういう順番で勉強に取り組んでいくのかが重要です。
いきなり教本を全部読んでいくのか、問題集をひたすら解きすすめていくのか。
動画で勉強するのか。1日のどの時間にどういった勉強方法をするのか。
私が実践したのは以下の勉強方法です。
■朝出勤電車の30分間
新しいカテゴリーの参考書を読む。
まとまってる情報を少しでも読み進めて勉強のモチベーションを上げる。
■仕事の休憩時間の1時間
朝読んだ新しいカテゴリーの教本の部分を読んでみる。
教本で大事な部分が頭に入っているのでスラスラと読むことができます。
疲れたらダラダラとしていた時もありました。
■帰りの電車30分
youtubeなどの動画でさらに要点の復習。
仕事で疲れていたので、本は開きたくなかったので動画に頼っていました。
■家での勉強
いままで勉強したところの復習を睡魔に襲われるまで・・・
好きなドリンクやお菓子を食べながらまるでカフェにいるかのように気楽に復習していました。
隙間時間とをほとんど勉強にあてていたため、リフレッシュしながら気楽に進めていくことでしっかりと継続することを続けていきました。
勉強スケジュールを立てる
私は受験をするならダラダラと勉強をしたくなかったのでしっかりと試験当日までのスケジュールを立てました。
例えば、、、今週末までにフランスの範囲を全て終わらせてイタリアに突入する。
などの目標を立てる事が大事です。
もちろん計画通りにはいかないのが勉強ですのでゆとりをもった計画をオススメします。
さらに実際に問題集に取り組んでみると、得意分野と苦手分野が分かってきます。1点でも多く正解するためには、得意分野での失点を抑えるのと同時に、苦手分野の問題の正解率を高めることが必要です。
仕事が忙しい、体調不良になったなどの事態になっても慌てないよう、余裕を持った計画を立てましょう。
ワインを見に行く
これは私流のモチベーションの上げ方でした。
モチベーションが下がる事は長い間勉強していると必ず訪れます。
常に勉強が楽して楽しくてしょうがない様な方は一部の方にすぎません。
そんな時、私はワインショップに行って並んでいるワインを眺めていました。
そうすると、今まで勉強していたAOCやDOCGなどを見つけることができて
本の中の世界だったワインが手に取れたことに感動して、モチベーションが上がりました。
これはオススメのモチベーションアップ方法です。
まとめ
ワインの専門家であるソムリエは、レストランでも花形の存在であり憧れを集める仕事です。ワインに関する知識や経験を高めるきっかけになるだけでなく、有利な転職ができる可能性も格段に広がります。
ソムリエ試験の対策をしっかり練って効率的な勉強を進め、合格を手に入れるために、この記事を参考にして頂ければ嬉しい限りです。